「今月も残業が60時間を超えた…」
「家に帰ると何もする気が起きない…」
そんな毎日を送っていないでしょうか。毎日残業が多い生活をしていると、肉体的にも精神的にもボロボロになっていきます。
残業が長いかどうかの基準は月60時間を超えるかどうかです。もし60時間を超えているなら注意が必要です。健康や将来の生活を考え、なるべく早く状況を改善する必要があります。
僕も昔月300時間以上働いていたことがありますが、毎日12時間以上働いていると体や精神がおかしくなっていきます。
毎日体が重くだるいし、頭がしっかりと働きません。当然ミスも多くなるし仕事のクオリティが落ちていたと思います。
そして後から振り返ったとき、当時の記憶があまりありません、睡眠不足なのかストレスが溜まっていたのかわかりませんが、あまり覚えていないのです。
残業というのは過剰にやりすぎると危険です。
そのことに気づく会社や社員が増えてほしいと願っていますが、現在は残業が当たり前になっている会社が多いのは事実。
そのような現状を改善していくためにも、残業の危険性を知り、どのように対処していくべきか考えていきたいと思います。
目次
残業の平均時間
他の人たちはどれくらい残業しているのでしょうか?社会人の平均的な残業時間は下記のようになっています。
分析対象の約6万8千人のうち、月の平均残業時間は約47時間で、1日あたり約1時間〜2時間程度の残業をしている人が多いことが分かります。
「30時間」が14.5%と最も多く、「40時間」14.5%、「20時間」13%となっています。
働きがい研究所 by VORKERS
1日あたり約1時間〜2時間程度の残業が多いというのは、自分の感覚ともあっていますね。
残業の平均が月47時間が平均というのは思っていたよりも多いですが、グラフを見ると100時間以上という人たちが平均を押し上げているのでしょう。
実際に多いのは月20時間~40時間くらいでではないでしょうか。
その残業、意味ありますか?
なぜ残業が増えてしまうのでしょうか?どんな仕事でも繁忙期や偏って忙しくなる時期というのはあります。でも慢性的に残業が発生しているのはなぜでしょうか?
日本は残業が多いのに、仕事の生産性は低いと言われています。下記データを御覧ください。
参照:労働生産性の国際比較
日本人は海外の人と比べて残業の平均時間は多いにもかかわらず、労働生産性は先進国の中でも下位の22位となっています。
この原因は何なのでしょうか?特別日本時が能力が低いとは思いません。むしろ真面目な人が多いですよね。
原因の一つは日本人特有の「空気を読んだ」結果にあると思います。僕の経験や色んな情報を総合すると、本当に必要で残業している人は少ないです。
「定時に帰ったら怒られるんじゃないか?」
「同僚や後輩の目が気になって帰れない…」
そういう目に見えない空気から、はじめから残業を視野に入れたスピードで仕事を終わらせるようになっていきます。
本当は朝から集中して仕事をすれば、残業をする必要がないのにもかかわらず、周りの目を気にしてゆっくり仕事をしている人が多いので、日本全体の労働生産性を下げているのです。
これは労働者が悪いわけではなく、経営者に原因があると言えます。
頑張って仕事を早く終わらせても、評価もされず「定時に帰るのは暇だから」と思ってしまうような経営者のもとでは、仕事をスピーディにやることが馬鹿らしくなってきます。
経営者としては、残業させることで会社の生産性を高めて利益を改善しているつもりなのでしょうが、それが原因で社員がゆっくり仕事をして生産性を下げているというのなんとも皮肉な話です。
本当は残業せずに帰ってゆっくりしたほうが、次の日のモチベーションや元気につながり生産性があがるのです。それに気づかない限り、このような状況が改善することはないでしょう。
本当は危険な長時間残業
60時間を超えるような長時間の残業は、考えているよりも多くのデメリットがあります。
病気へのリスクが高まる
長時間労働は、健康へのリスクが高くなります。
特に一日3時間を超えると様々な心身への影響が出てきます。一般的に半年間の平均残業時間が月に45時間を超えていると、健康への悪い影響が出てくるとされています。
例えば、「1日何時間残業すると健康を害するのか」によると、残業のない人と、毎日3~4時間の残業のある人を比べると、残業している人のほうがうつの症状が2倍になるという調査結果が紹介されています。
また、3時間も残業すると睡眠時間も短くせざるをえません。慢性的に睡眠時間が短くなると、 免疫システムの低下や血圧の上昇を引き起こし、重大な病気にかかるリスクが上がります。
また、睡眠時間が短いとストレスがたまり、タバコやアルコールの摂取が増え健康を害していくことにも繋がります。
リフレッシュする時間すらない
毎日3時間も残業をすれば、家に変えると22時を過ぎていたりしますよね。
お風呂に入ったらあとは何もする時間もなければ体力もありません。友達や恋人と会うことも殆どできないですし、ゆっくり映画をみたり読書をしたりということも難しくなります。
仕事をしているか寝ているかという生活です。リフレッシュする時間すら取れません。
そんな生活が続くと、気持ちは落ち込み「一体何のためにこんなに働いているのか…」と自暴自棄になりかねません。
毎日1時間程度でも、たわいもない自由な時間があるということは、人間にとって非常に大切なことなのです。
長時間の座り仕事はがんの発生リスクを上昇させる
仕事中はデスクに座っていることが多いと思いますが、この座っている時間が長ければ長いほどがんの発生リスクが高まることが分かっています。
「がんの場合、座っている時間が長いほどがんの罹患リスクが高くなる。顕著なのは大腸がんと乳がんで、座りすぎによって大腸がんは30%、乳がんは17%も罹患リスクが上がる」
その他にも血液系の病気のリスクも高まります。
座っていると、下半身の筋肉を使いません。特に第二の心臓と言われるふくらはぎも使われないことで、下半身に降りた血の巡りを良くする事ができません。
その結果全身の血行が悪くなり、ドロドロ血液になっていきます。ドロドロの血液は動脈硬化や心臓系、脳系の重大な病気のリスクを高めるので、長時間の残業には注意が必要です。
残業が多い会社での対処法
長時間残業にはリスクがあることは分かっていただけたかと思います。いくつ残業時間を減らす方法をご紹介します。
まずは残業はしないと決める
「不要な残業はしない」と決めることで、残業は減らすことが出来ます。
残業はその半数が周りの人の目を意識した、本来は必要のない無駄な時間だと思います。本気で朝から集中して頑張ったら、定時には帰れることが増えると思いませんか?
であれば定時に終わらせるという意識で毎日働くのです。
「たったそれだけ…?」
と思うかもしれませんが、テクニックよりもまず決意をすることが大切です。
そしてこれがやってみると非常に難しい決意でもあることが分かると思います。
というのも、朝から集中して頑張って仕事を終わらせたところで、定時に帰るあなたを快く思わない人がたくさんいるでしょう。おそらく上層部には評価されないし、なんなら理不尽に怒られます。
僕も以前の職場で同じような状況でした。
残業が多く定時に帰る人はほとんどいない会社です。残業しないことがどれほど大切で会社のためになるか訴えたこともありますが、経営者や人事の人の心は変わりませんでした。
僕は周りの人を変えるのを諦め、自分が変わることにしました。「今後は一切無駄な残業しない」と決めて、そのとおりに行動することにしたのです。
周りから変な目で見られてたでしょうし、上司に呼び出されて残業しろと意味のわからないお叱りを受けましたが、全て無視しました。
そうしていく内に、ダラダラとしている人より仕事が早くなりクライアントからの信頼を勝ち取り、僕にお願いしたいという人が現れ始めました。
「朝から集中して仕事をし、定時に帰って体を休めたほうが生産性が高い」という僕の働き方が証明されたと感じました。
結果的に会社も僕の給料を上げざるを得なくなり、いつの間にか最も残業が短いのに最も給料が高い社員になっていました。(ものすごい小さい会社だったのでたかが知れていますが)
上層部や社員の中には残業しない僕を嫌っている人がいることは気づいていましたが、そんなことを気にしていたら、一生無駄な残業を辞めることは出来ません。
同じようなことがどんな会社でも通用するわけではありませんし、僕の経験のように周りから白い目で見られたり上層部から理不尽に怒られることはある程度覚悟しなければなりませんが、自分の決断しだいで無駄な残業は減らせる可能性は高くなるのです。
効率の良い働き方を心がける
残業をしないと決めたなら、自分の働き方を見つめ直しましょう。
今まで残業して終わらせてたものを、今後は定時に終わらせる必要があります。そのためにも効率の良い仕事の進め方をする必要があります。
効率良く働くコツとしていろんなテクニックがありますが、今回紹介する3つが基本中の基本です。巷に転がる細かなテクニックは覚えなくても、この3つを完璧に行うだけでかなりの効率の向上に繋がります。
朝は少なとも10分前には会社につく
ぎりぎりに会社に着いているようではだめです。
会社に着いたばかりは息が上がっていて集中できませんし、PCや机の周りの整理など、仕事ができる準備が整っていません。
少なくても10分前には着いて、定時には仕事が始められるようにしましょう。
今までできてなかった人は、会社のためではなく「定時に帰るため」ためという意識で習慣を替えてみましょう。
仕事のスケジュールを立てる
仕事始める前に、10分ほど時間をかけてその日やることのスケジュールを立てましょう。
スケジュールを立てずに適当な順序で仕事を行っていると、気づかないうちに効率が悪くなっているものです。
同じ8時間でも、いつ何をやるかを上手く組み合わせることによって、こなせる仕事量やクオリティはかなり変わってきます。
例えば、朝は頭の冴えている時間です。ここにその日の一番頭をつかう仕事を持ってきます。メールチェックや簡単なミーティングなどはこの時間にいれるべきではありません。昼食後の眠くなる時間を使って行いましょう。
午後にはなるべく頭の使わないルーチン業務などを割り当て、淡々とこなしていきましょう。
重要なのは、午前中の頭の冴えている時間を上手に使うこと。その日の仕事の8割をこの時間で終わらせるくらいに考えて行動しましょう。
タイマーを使う
タイマーで時間を区切りましょう。
時間を区切ることで集中力が上がりますし、自分の工数をしっかりと把握することができ、スケジュールの精度が上がっていきます。
いろんなテクニックがありますが、僕はポモドーロテクニックを使っています。
ポモドーロテクニックというのは25分間の集中タイムと5分間のリラックスタイムを交互に繰り返すだけのシンプルなテクニックです。やり方は簡単ですが、効果はかなりあると感じています。
25分間の集中タイムは仕事以外のことは一切しません。携帯もネットも電話も一切出ません。とにかく決めたタスクに集中します。
その後の5分間は軽い休憩です。目つぶってリラックスしたり、次の5分間の計画を立てたり、雑務を行ったりします。この25分と5分を一回ずつで1セットとし、これを何度も繰り返しながら仕事を進めていきます。
たったこれだけなんですが、25分と5分というのが絶妙なバランスで、自分でもびっくりするくらいの集中力を発揮できます。
僕は5分間リラックスタイムに、頭を使わないけど手間のかかる、工数の計算やファイルの整理等をして頭を休めながらも雑用を済ませるようにしていました。
そうすることで、重要な仕事と雑務を同時に進めていくことができ、定時には仕事を追わせることが出来ていました、
タイマーはネットがつながれば、下記のようなサイトで無料で使うことができます。http://stopwatchtimer.yokochou.com/pomodoro-timer.html
残業でしか評価できない会社なら、転職する
僕も経験したので分かりますが、会社を自分一人の力で変えるのは難しいですよね。
残業をして今の役職についた上司は、「残業しないやつは使えない」くらいの偏った価値観を持っていることがあります。
社員に毎日塹残業させるような会社は、口ではうまいことをいっても、社員の幸せなど本気で考えていません。そんなところにいても自分が辛くなるだけです。
そういった場合は自分の健康と幸福な生活を優先して考えて転職をしましょう。
社員のことを考えた会社に転職することで、あなたの持つ能力を最大限に発揮することが出来るようになれば、自分が気持ちよく仕事ができるだけでなく、会社からも評価され給与もアップすることに繋がります。
まずは早めにサイトに登録だけでもしておく
「いますぐに転職は…」
と考える方もいると思いますが、なるべく早い段階で転職サイトに登録だけでもしておくほうが良いです。転職するかしないか決まっていなくても転職サイトに登録しておいた方が良いことがたくさんあります。例えば
- 自分の市場価値を知ることができ、自信がもてる
- いざ、転職となったときのイメージが掴める
- 転職出来るという気持ちから、今の仕事に対して余裕がもてる
などです。
ちなみに「仕事を辞めてから転職活動を始めればいいや」という考えはかなり危険なので辞めておくべきです。給与のない期間は自分を想像以上に焦らせ、中途半端な転職先になってしまいます。
余裕のない状態での判断はだいたいうまく行きません。「仕事をしながら転職活動も同時に行う」というスタンスが一番賢いといえるでしょう。
どうやってまともな会社をみつけるか?
どうやってまともな会社をみつけれ良いのでしょうか。面接までして受かった会社がブラック企業だったりしたら、時間の無駄になっていまいます。
そういう場合におすすめなのが、転職先の内情をよく知る「転職エージェント」というサービスを使うのがいい方法です。
転職エージェントとは、転職の相談や、求人紹介、面接の日時のセッティング、給与の交渉など転職に必要なサポートをしてくれるサービスです。
自分1人の力では、転職先の昇給額や昇給の頻度などを知ることは出来ません。その点、転職エージェントであれば、しっかりとある程度の内情を知っているし、聞きたいことがあれば代わりに聞いてくれますので、入った後に後悔するようなことは少なくて済みます。
また、煩わしいアポを取ったり、転職先がブラックかどうか調べるなどの作業から開放されて、代わりに転職のプロがセッティングからサポートまで行ってくれます。非公開求人があったり、企業の内情に詳しかったりするので、あなたが望む仕事につける確率が大幅に上がります。
しかも転職エージェントの費用は、採用した企業が払う仕組みです。転職希望者は完全に無料で使うことが出来ます。無料なので、利用することにリスクはありません。どんどん使ったほうが良いでしょう。
いくつかサービスが有るのですが、基本的に超大手のリクルートエージェントとマイナビエージェントに登録しておけば間違いありません。
IT系に行きたい人は、ITに特化したワークポートにも登録してみましょう。
定番の転職エージェント
まとめ
残業は長ければ長いほど健康リスクが高まり、月60時間を超えているような人は要注意です。
勇気をもって残業をしないことを選ぶか、それが難しいようであれば転職をしなるべく早く状況を変えるべきです。
残業が多いと、転職先を自分だけで探すのは、時間的にも体力的にもなかなか難しいですので、転職エージェントを使うのがオススメです。
やりがいがあって、定時に堂々と帰れる職場は世の中にはたくさんあります。僕も転職してそのような会社に行き着くことが出来ました。
大きな決断がうまくいき、健康的にも精神的にも充実した生活へ近づいていくこと祈っています。